Xilinx EDKについて雑感

FPGAを使い始めたのはいつからだったかと思い返してみると、産総研に入所してからでした。それまでは東北大学FPGAみたいなLSIとしてフレキシブルプロセッサというものを研究開発していたわけだけど、FPGA自体をユーザーとして使った経験には乏しかったわけです。もっともその頃のFPGAはvirtex初代が出たぐらいの時代だったわけで、FPGA用のソフトコアプロセッサもようやく一般的になってきた頃だったように思います。

XilinxのEDKは、ソフトコアプロセッサであるmicroblazeと、メモリやペリフェラルを含むシステムをIPベースでハードウェアを設計できるツールです。そしてもう一つの側面が、gccをベースとしたソフトウェアの統合開発環境です。

ハードウェアを設計した際に、各IPにアドレスを割り付けて、その構成をもとにC言語のヘッダファイルを自動生成してくれる、という形でハードウェア設計とソフトウェアが結びついています。

難点は操作が重い事でしょうか。最新バージョン13では大分改善されているような気がしますが、バージョン8から10で使っていた時は、何かと待ち時間が生じていたように思います。その点、ライバルのALTERAの同様のツールSOPC builderは、軽快な動作でした。余計な機能を削ぎ落としてスッキリと作ってあるツールという印象です。

それからedkは、用意されているIPを使っている間はまだ良いのですが、自作のIPを入れてシステムを生成しようとすると、本当に良く異常終了しました。自作のIPが不完全なためなので、自業自得なのですが。

といったEDKなのですが、気になるのはどの位ユーザーがいるのか、という事です。FPGAがターゲットの場合、IPベースのシステム設計というのはとても有効だと思うのですが、日本ではあまり流行っていないように思います。上手く使っているのは、アットマークテクノのSUZAKUだとおもいますが、それ以外あまりネット上に日本語の情報がないですよね。EDKを使っていてエラーが出て検索すると、大体英語の情報が見つかります。

2008年ごろ、EDKユーザーwikiという日本語のユーザー情報交換のサイトを企画したのですが、上手く続ける事が出来ませんでした。再度、トライしてみましょうかね…?